三条御幸町で GEAR を観る

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(画像:http://www.gear.acより引用)
演劇 GEAR を観にいきました。場所は三条御幸町ART COMPLEX 1928。地下にカフェ・アンデパンダンが入っているビルの3階です。京都に住んでいる人の多くがきっと見たことのあるビル。www.gear.ac

公式サイトに簡単なストーリーが掲載されていたので引用します。

荒廃した未来社会。
人間型ロボット「ロボロイド」が働き続ける元おもちゃ工場。

そこに現れるかつてこの工場の製品だった人形「ドール」。
ロボロイドとドールは、異物に対する解析機能を通じて、
「好奇心」と「遊び」を獲得し、少しずつ人間に近づいていく。

http://www.gear.ac/info/fanclub.html

GEARの特徴はキャストが言葉を使わずに身振りや表情だけで物語が進んでいくというところ。リアリティのある工場の演出プロジェクションマッピング。手品やジャグリング、ブレイクダンスなどのパフォーマンスが繰り広げられ、客席からは拍手があがる。

わたしがもっとも印象に残ったのは、人形だったドールが人間に近づいて行く様が丁寧に表現されていたこと。豪華な演出やパフォーマンスよりずっとずっと印象に残った。

ドールははじめは"人形"だった。わたしたちがマネキン人形を触るときと同様に、関節でしか動かせず、ちょっとでも斜めに傾けようものなら重力に逆らえず倒れてしまう。

でも、ロボロイドとのやり取りを繰り広げる中で、ドールは自分でカクカクとロボットのようにぎこちなくもゆっくり動けるようになる。はたまたジャンプしたり階段をのぼる。(最初は段差ものぼれなかったのに!)表情は笑ったり驚いたりと豊かになり、最後にはロボロイドに握手を求めるようになる。

劇中はドールとロボロイドのやり取りやパフォーマンスの繰り返しで、正直、大きなストーリーはないように思ってた。刹那的に見えるやり取りの中で、ドールが人間に近づいていることにクライマックスではっと気づき、心が締まる。

先にも書きましたがこれらはすべて言葉なしで身振りや表情だけで表現されています。
人って言葉を使わなくても、こんなにも伝えることができるんだ・・。あっという間の75分でした。

ART COMPLEX 1928は、今はGEARのみ講演されているそうです。GEARのホームページの御客様の声を見ると、国内外の観光客や「月1できています!」といった常連のコメントも。

三条御幸町のあの抜群の立地で、ひとつの小さな講演(定員100名の講演が日に2回)がマイナーチェンジのもとに続けられていて、多くの人に愛され続けているってなんだか夢があるような気がしませんか。