思い出をピン

f:id:attsumi:20161208003213p:plain

夜、終電が終わってから高円寺から家のある等々力まで歩いたことがある。部署の飲み会が高円寺であって、同じ方角の人が3時くらいに歩いて帰るって言ったので、私も便乗することにした。その日は今の家の入居日だった。家までは13kmの距離。最初の6,7kmは会社の人と一緒で、あとはひとりで歩いた(と思ったけれど、3kmくらい、始発の世田谷線に乗ってワープしたのだった...だから実質歩いたのは10kmくらい)

最後の2kmくらい、駒澤大学あたりからがきつくて「タクシー乗ろうか...」って何度も何度も思った。7月で暑いし、汗でどろどろだし、眠いし。朝日が眩しい。でも、ここまで歩いたんだからって意地になって歩ききったのだった。

あれは、決して楽ではなかったけれどやってよかったな。世田谷線沿いは緑豊かでいいなって思ったこと、駒澤大学周りに気になるお店があること、環七沿いの車通りと騒がしさ、とか、グーグルマップではわからない一次情報を地図に紐づけられた。

さらには、その日に通った道を通るたびに高円寺から歩いた日のことを思い出すようになった。地図にピンを立てるように、目の前の風景に思い出をピンする感覚。長く暮らしていた京都にはいろんなところにピンが立っている。きっとこれから、東京でもピンが立っている風景が多くなる。